●ELID技術 Q & A



Q1 ELID研削法の原理を簡単に解説してください。

A 電解加工を素材の加工ではなくメタルボンド砥石のドレッシング(目立て)に応用したものです。加工工具である導電性砥石を(+)に、電極を(‐)として接近させ、回転させながら水溶性研削液を供給すると、電解作用により、砥石のボンド材を溶出させます。その溶出分の一部が被膜(不導体被膜)となり絶縁層として砥石表面に形成されます。研削中に砥粒が摩耗すると、摩耗した分だけ速やかに不導体被膜が生成されます。つまり、初期ドレス→不導体被膜→研削中砥粒摩耗・被膜摩耗→即座に被膜生成…これの繰り返しにより、常に一定(または、任意)の砥粒突出量およびドレス量のコントロールが可能です。この原理に基づき微細砥粒砥石を用いて高精度鏡面加工が継続的に可能となります。



Q2 加工面が他加工法と比較してどうして優れているのでしょうか?

A 研削中に砥粒の突出し量を揃えることができるので、砥粒の単一加工負荷が少なく、また、微細砥粒の砥石が使用可能なために高品位な加工面が得られます。また砥石切れ味が良く低負荷であり、しかも安定した加工できるため低加工ダメージ化が得られます。



Q3 微細粒度の砥石を使用すると加工時間がかかるのでは?

A 通常は、粗・中・仕上げの3工程を必要としますが、本ELID研削法は、時には粗加工の工程カット、特に最終仕上げ工程の短縮効果は著しく、結果的にトータル加工時間が常識外に短縮されます。また、難削材料を相当量除去する場合は、粗加工の段階からELID加工法を採用されることをお勧めいたします。



Q4 電解液を使用して装置に錆は発生しませんか?

A ELID研削法では電解液ではなく、防錆作用のある、ELID研削専用液を用いています。また、微弱な導電性ですから通常の加工装置と同様にお考え下さい。



Q5 ELID研削面の表面粗さは?また、適用可能材料は?

A 使用する砥石の砥粒径にほぼ比例した加工面粗さが得られます。加工材料にもよりますが、例えば#4000(平均砥粒径約4μm)砥石により、Ra5〜8nm, Ry40〜80nm程度の鏡面研削が実現できます。さらに微細な砥粒を持つ砥石、例えば#8000(約2μm)か、それ以上の微粒砥石(#40000(約0.4μm),#120000(約0.13μm)など)により、Ra1〜3nm Ry10〜30nm程度の鏡面を得ることができます。また、被加工材料は、超硬合金やセラミックスなどの硬質・難削材料、単結晶シリコン、ガラスなどの脆性材料、金型鋼、ステンレス鋼、一部のプラスチックなど、多くの工業材料が適用できます(加工事例をご覧下さい)。



Q6 ELID研削法の習得は難しいのでは?

A 導入に先立って、テスト加工および受託加工、技術研修等のサービスも可能です。そのデータに基づき、実用化に必要な評価や加工条件の十分なご検討を頂くことができます。さらに、高度な加工技術が必要な場合や、研究的な色彩の強い案件に対しての最新情報の入手は、シンポジウムなどを通じて、関係機関をご希望によりご紹介いたします。



Q7 テスト費用や委託費などはどの程度かかるものでしょうか?

A 材料、精度、数量、難易度、実施条件等により差がありますので、ご相談下さい。その上で、スケジュールとお見積を申しあげます。実施条件としては、テスト加工データの報告、テスト品と加工データの提供、サンプル加工、いくつかのケースがあります。



Q8 本格的な技術移転、実用化、特許ライセンスは受けられますか?

A 過去に事例のない加工案件への取り組み、高度かつ特殊な加工技術が必要な場合の技術ノウハウ移転や、汎用性・応用性の高い特許ライセンスの取扱を伴います場合には、独)理化学研究所の技術指導制度、共同研究制度等があり、またそれに先立っての技術情報の入手には関連するシンポジウムなどがあります。



Q9 機密保持は大丈夫でしょうか?

A 当然ながら、特に機密保持の指示を受けなくとも、クライアントの機密保持はこれを厳守致します。しかし、念のためお問い合わせ時に機密事項の旨お申し入れください。必要に応じて機密保持契約書、覚書などの取り交わしが可能です。



Q10 コスト削減の実例があったら教えてください

A 実用例については、お客様の機密保持が原則ですので、具体的に公表できませんのと、コスト計算も用途や方法により異なりますので一概に評価が難しいのですが、ある硬質材料やセラミックス、超硬合金などの精密研削工程で、十数倍〜数十倍の加工効率をあげているところがあります。



Q11 技術論文集や専門技術書などの刊行物の入手は可能でしょうか?

A お問い合わせ下さい。



Q12 ELID法に関する特許の取扱はどうなるのでしょうか?

A ELID法および関連技術に関する特許は理化学研究所の保有であり、一部は共同研究先との共有となっております。それらの実施権を受けて製品化・実用化されたELID装置搭載製品の運用については、通常お客様にロイヤリティは発生いたしませんが、お客様が専用装置や専用プロセスラインを構築される場合は、お客様にライセンスを供与することで、特許を実施いただくことが必要です。実施の範囲や新規特許の発生については、特許侵害とならないように事前にご相談下さい。



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